観光客急増で市民生活に影響/オーバーツーリズム指摘も
市、200万人へ「安心、安全確保」
宮古島市を訪れる観光客の増加による市民生活への影響について、市はバス、タクシーの二次交通不足や商業施設の混雑、観光地のごみなど、さまざまな問題を抱えていることが分かった。市は今後10年間で年間の観光客数を200万人に設定しているが、オーバーツーリズム(観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態)との指摘もある。市は訪れる観光客の動向を把握し、持続可能な観光地の発展につなげる方針だ。
市はそのほか、市民生活への影響として、レンタカー増加による交通混雑や事故の増加、シュノーケリングなどで海岸を訪れる観光客の増加による海の環境悪化も懸念材料として挙げている。
下地敏彦市長は市議会9月定例会の20日の一般質問答弁で、受け入れ可能な観光客数は「難しい問題」として明らかにしなかったが、観光客200万人の設定については「まずは市民生活が快適で、安心、安全であることを確保する必要がある」との認識を示した。
それを踏まえた上で▽水道水の安定的供給の限度を見極める▽レンタカーやバス、乗用車の増加による交通渋滞が市民生活をどのくらい圧迫しているかの確認▽食糧の安定供給の確保に向けた取り組み▽観光地と市街地のすみ分けが図られるか-などの状況や推移を精査しながら受け入れ能力の算出を検討していく方針。
下地市長は「市民に食糧がきちんと供給できるか、できないようであれば、観光客をある程度制約していくことも考えていかなければならない」と答えた。
オーバーツーリズムについては、開会中の市議会9月定例会の一般質問で真栄城徳彦氏が「今から準備をし、対応できるような体制を整えないと大変なことになる」と指摘。沖縄本島の一部地域では、御嶽を荒らされるなどのオーバーツーリズムの弊害で「観光客は来ないでほしい」という声が上がっているとし、市は観光客を受け入れる正確な容量を把握すべきだとした。