新年を迎えて
新春を寿ぎ新年のご挨拶を申し上げます。
就任後、初めて来沖した菅直人首相は仲井真弘多知事との会談を通し、普天間基地の辺野古移設案が「ベストではないがベター」だと語り県民の理解を求めましたが、仲井真知事は「バッド」だと切り返し先が見えない状況になりました。 昨年末行われた県知事選挙で「基地撤去」を政策の第一に揚げた伊波洋一氏が敗れたことなどを考え合わせると複雑な沖縄の事情が反映していると考えざるを得ません。
さて、宮古島へ目を転ずると、本紙の2010年の10大ニュースにも選ばれた様に宮崎県で発生した口蹄疫の影響から5、6月の牛の競りが中止となり、畜産農家に大きな打撃を与えました。幸い、9月からは相場も上昇し、明るい兆しが見えてきました。ところが宮古の農業の主幹をなすサトウキビは環太平洋連携協定(TPP)の問題等、生産農家を取り巻く環境は厳しいものがあります。
明るい話題もありました。まず筆頭は北海道大学の鈴木章名誉教授と、米パデュー大学の根岸英一特別教授のノーベル賞受賞です。
ここ宮古でも地元出身の伊志嶺翔大選手がプロ野球ロッテから1位指名を受け契約を交わしました。野球少年達の夢をふくらませる快挙です。そのほか、観光客の増加、宮古島市制5周年を記念した数々のイベントと宮古島大使の任命など市民に希望を持たせる施策が展開されています。
本紙も56周年を迎えました。多くの読者や広告主の皆様をはじめ地域の方々のご指導ご協力があったればこそです。今年も本社の主催事業を通して文芸や書道、囲碁、サッカー、ゴルフなど地域振興のため精いっぱい努力を致す所存です。「郷土に根ざした確かな視点」を堅持して新聞の持つ使命を果たしていく決意を新たにしています。一層のご指導ご協力をお願いし、新年のご挨拶とします
2011(平成23)年元旦
宮古毎日新聞社
社長 平良 覚