受診率向上へ連携強化/がん検診
意識改革促進を考察
市健康増進計画推進会議
2019年度の「市健康増進計画推進会議~平均寿命最下位脱出プロジェクト~」(会長・下地敏彦市長)が2日、市平良保健センターで開かれた。がん検診の受診率向上に向けた連携強化などを確認。また、糖尿病については患者の薬に対する意識の変革や生活習慣そのものを早期に見直すことの大切さが訴えられるなど、現状における課題を共有した。
同会議は、行政、経済、医療、教育、マスコミの関係者が一堂に会して各団体の取り組みを報告。同計画の進捗(しんちょく)状況や今年8月現在における数値の評価についての説明が行われた。
がんについては、基準線となる2011年度と比べて死亡率は減少しているものの、検診の受診率が低い数値となっていることが課題として示された。
宮古地区医師会の竹井太会長は「ほとんどのがんは早く発見すれば死なない。早期発見でしっかり対応すれば回復する。各事業体の中でどうやれば検診を受けることが促進できるかについて考えてほしい」と呼び掛けた。
糖尿病については、有病者の増加抑制や合併症についてはある程度の効果は出ているものの、治療継続者の割合が増加していることなどが指摘された。
宮古地区薬剤師会の下地睦夫会長は「近年、新しい薬ができている影響からか、種類とか使っている患者も多い。そうすると結果的に薬の管理が難しくなってうまく治療効果が上がらない現状もある」と指摘。
その上で「一番感じるのは糖尿病や高血圧の薬を飲んでいるから病気が治ると勘違いしている患者が多い。あくまで飲んでいる薬は、血管障害や神経障害を予防するためのもの。穴が開いた船の穴にふたをしているようなもの。そうした意識を持つことが大切で、生活習慣病を見直さないと、今から将来のことが心配になる」と警鐘を鳴らした。
そのほかにも、乳幼児のう蝕(虫歯)の割合や、子供の肥満についても学校、歯科医、保護者の連携の大切さを確認した。
同会議では、08年から第1次計画、13年に2次計画が策定された健康増進計画(健康みやこじま)の目標達成のため、議論を交わしている。