基地が及ぼす影響探る/「水を守ろう」講演とシンポ
10・13命の水を守ろう!講演会・シンポジウム&県庁・沖縄防衛局交渉報告会(主催・同実行委員会)が13日、市未来創造センターで開かれた。琉球大学理学部の新城竜一教授(地質学)ら3人が講演。会場には約120人の市民が集まり、自衛隊基地が地下水に及ぼす危険性について考えた。
新城教授は、防衛省提供の基盤調査報告書には、千代田の陸自基地の地下に1㍍以上の空洞が3カ所確認されていることを説明。「電気探査のみで空洞の分布を推定するのは危険。強度的に妥当だと評価するのは非常に無理がある。詳細な分布状況を調べることが先決だ」と強調した。
同基地が地下水流域界の直上にあるとして「流域の上流部に位置することから、危険物質の地下流出があった場合には、広い範囲で汚染させる危険性がある」と警鐘を鳴らした。
地下水保全の研究を行う宮古総合実業高校の前里和洋教諭は、地下水について講話。「低島かつ小島である宮古島は新規水源開発によるミスは許されない。地下水をくみ上げ過ぎると、地盤の自然沈下を招く恐れがある」と指摘した。
辺野古新基地建設の関係文書を解析した土木技術者の奥間政則さんは「宮古島の自衛隊基地の現状」をテーマに講話した。
要請活動した県や沖縄防衛局からの回答も報告された。千代田の基地内に保管されているジェット燃料について、沖縄防衛局は「駐屯地のグラウンドを使用してヘリが離発着する際の燃料補給で使用する」と回答したという。
会場に集まった市民らは、メモを取るなどしながら熱心に聞き入っていた。