うえち雄大さんが「人頭税物語」上梓
宮古地区全中学生分、1600冊贈る/アララガマ精神を発信へ
歌手のうえち雄大さんが自身の著書「宮古人頭税物語第2弾夢の扉」を宮古地区の小中高校に寄贈する。21日、同氏後援会の古波蔵和夫会長と市役所平良庁舎を訪ねたうえちさんは下地敏彦市長と宮國博教育長に「学生に宮古の歴史を読んでもらいたい」と中学生全員に行き渡るように1600冊を寄贈することを説明した。宮古地区の小中学校30校、県立学校4校にも各1冊ずつ贈る。
うえちさんは「琉球処分から410年。平成から令和に変わった節目の年に一致団結して宮古の歴史を全世界に発信したい」と話した。古波蔵会長は「宮古は差別を受けてきた過去がある。その歴史をアララガマ精神で乗り越えてきた」と話した。
人頭税は琉球王朝が支配されていた薩摩藩に税を納めるために宮古八重山の住民を対象に1637年に始まった。明治になっても続き、島民らの帝国議会への直接誓願によって1903年に廃止された。廃止運動のリーダーの中村十作は新潟県出身、城間正安は那覇出身だった。
うえちさんは30年前から歌、演劇、著書で人頭税の歴史を広く周知している。