観光客6万7000人減/19年度上期実績
累計61万人、クルーズ伸びず/市担当課「下期で挽回可能」
市観光商工部は23日までに、2019年度上期(4~9月)の入域観光客数をまとめた。6カ月間の累計は61万3313人で、前年度と比べて6万7042人減少した。クルーズ船の寄港回数が大幅に減ったことが要因だ。ただ、下期のクルーズ船の寄港予約は前年度を上回っている。空路が引き続き好調なことも踏まえ、市は「下期で十分挽回できる」と見ている。
市のまとめによると、今年度上期の月別入域客数は6月を除いてすべて前年度割れだった。最も大きな減少幅は5月で前年度比2万9975人の減。繁忙期の8月も1万9439人と大きな減少があった。上期全体の増減率は9・85ポイント減。
要因はクルーズ船の寄港回数だ。予約減に加え、気象条件による寄港キャンセルなどで前年度上期の99回に対し今年度は72回と27回減った。これによって入域客数は約10万人減少。全体実績に与えた影響の大きさがこの数字から分かる。
一方、空路は好調を維持している。今年度上期は49万840人(定期航路)を運び、前年度比で3万9598人増えた。民間利用が始まった下地島空港への乗降客数に加え、旺盛な観光需要が実績を引き上げた。
こういった観光需要が背景にあるため、結果として上期全体で6万人減っても市に落胆はない。クルーズ船の下期予約状況から「下期で十分に挽回できる」という判断がある。
予約ベースで見る前年度との比較は10月が3回増えて17回に、11月は20回増の26回、12月は18回増の21回の寄港がある。クルーズ船1隻当たりの平均乗客・乗員数は3000人。この数字からはじく向こう3カ月の入域客数は単純計算で19万2000人になり、前年度を12万3000人上回る。さらに来年1~3月の寄港回数も大幅増が見込めるという。このことから市は「減少した6万人を十分に補える」と見立てた。
通期予測として市観光商工課の宮國範夫課長は、下期クルーズ船の予約状況に加え、チャーター便が相次ぐ空路への期待感から「少なくとも前年度並みの入域観光客数は維持できると考えている」としている。その上で「受け入れ態勢に万全を期したい」と話した。