「童謡が子供たち育む」/伊良皆さん、保育士らに講演
ラジオパーソナリティーなどを務める伊良皆善子さんの「童謡の心を学ぶ」と題した講演会が22日、富名腰公民館であった。会場には小規模保育園、家庭的保育園の保育士ら約50人が集まり、伊良皆さんの童謡に対する思いを聞いた。伊良皆さんは「童謡こそが子供たちの心を育む」と話した。
伊良皆さんはRBCiラジオやラジオ沖縄、FM沖縄などで7本のレギュラー番組を持っている。19年前から童謡作者のふるさとを全国へ訪ね取材している。童謡の背景にある愛と平和のメッセージを多くの人に語り継ぐ童謡コンサートや話し方教室、講演活動を行っている。
伊良皆さんは「おもちゃ図書館」という障がい児と健常児が触れ合うイベントのコンサートで歌うことになり、音楽教室に通った事が童謡と深く関わるようになったと紹介。「45歳で音楽教室に通い、ピアノの伴奏に合わせて歌う時に優しい気持ちになった。その気持ちに気付いたことが、全国を回るきっかけになった」と振り返った。
「七つの子」の作詞者野口雨情について「地球上のすべてのもの、とりわけ弱者に深い愛を注ぐ作家」と評した。童歌、唱歌、童謡についても説明し、「江戸時代から歌い継がれてきたのが童歌。明治になり、音楽教育が始まるのに合わせて作られたのが唱歌。唱歌はほとんどが外国のメロディーに日本語を乗せたもので、日本の作家が書いたものはなく、また子供たちには難しく、大人目線の歌詞だった。明治後期から大正初期に、著名な作家らが、童心をもぎ取られた子供たちが心配だとの呼び掛けに賛同し、多くの童謡が生まれた」と解説した。その上で「功利主義でない歌、童謡こそが子供たちの心を育む」と呼び掛けた。
伊良皆さんは23日も市未来創造センターで「いらみなぜんこの童謡ものがたり」と題した講演会を開いた。