「飲酒」関連が大幅増/18年度精神保健相談件数
前年度比べ3.7倍に/保健所「依存症前に対応を」
県の2019年度精神保健福祉普及月間(11月)に伴い、県宮古保健所がこのほどまとめた18年度の精神保健相談状況によると、相談件数は延べ623件となり、前年度の424件を199件上回った。例年多い「アルコール」関連の相談も前年度の51件に比べ約3・7倍の189件となり、全体の約3割を占めた。同所では「アルコールの問題は依存症になる前の早めの対応が有効。本人、家族、周囲も含め、お酒の問題で困ったら早めに相談に訪れてほしい」と呼び掛けた。
相談件数で最も多い「その他」は、精神疾患などすでに診断のついている内容についての相談で、「アルコール」関連がそれに続いている。
「アルコール」関連の相談件数の割合は、16年度で全国が11・1%、県が17・2%。それと比べても宮古の30%はかなり高い数値となっている。
相談件数が大幅に増加した要因について、同保健所では「アルコール依存症も病気であり、回復も可能であることを広くPRしたことや病院、警察など関係機関とも連携を密にした取り組みなどが影響していると思う」と分析している。
さらに「相談件数が増えているのは良いこと。それは改善に向けた動きになっているとも言える。しかし、これだけの相談件数があるということは、実態はもっと多くの人が地域においてアルコールの問題を抱えていると思う」と話した。
アルコールの問題を協力し合いながら解決していこうと、断酒会も毎週金曜日の午後7時~同9時まで同保健所1階で実施している。
さらに、アルコール依存症の自助グループ「エメラルドグリーングループ」による会合も毎週火曜日の午後7時~同8時の間で同保健所1階で行っている。
同保健所では「飲酒問題は当人の問題意識が低いし、家族も諦めているケースも多い。しかし、依存症になる前の取り組みが重要で酒を飲んで完全に意識をなくすことが何度もある場合や路上寝、健診結果で飲酒の問題を指摘されたなどでも相談に訪れてほしい」と話した。
同所の地域保健班では、アルコール関連やそれ以外の精神疾患などについて、訪問・相談業務を行っている。
精神保健相談員1人と保健師2人態勢で、月~金曜日(祝祭日除く)の午前9時~同11時30分までと、午後は1時~同4時30分まで。問い合わせは(0980・72・8447)。