市の防災対策を学ぶ/JICAなど
カリブ海や大洋州の研修生
島しょの総合防災について高知大学と国際協力機構沖縄センター(JICA沖縄)で学んでいる中米カリブ海や大洋州などの国々の研修生18人が21日、市役所平良庁舎を訪問し、市の防災対策について担当課から講義を受けた。講義前には下地敏彦市長が市の防災対策の概要を直接説明した。
研修は島しょ国から防災担当行政官を招へいし、風水起因災害と地震・津波起因災害のリスクを緩和するために日本で講じられている防災対策ついて理解し自国の防災への応用について話し合い、帰国後、各国の防災対策のアクションプランを作ることを目的としている。
下地市長は「島の防災は自己完結型でなければならないという課題がある。陸続きであれば支援が受けられるが島は時間がかかるため、島で完結できるような防災の体制を作らなければならない。宮古島市では防災計画を作り毎年訓練をしている。台風、津波の対策をやっている。宮古島には毎年5個から6個の台風が接近する。昔は木造家屋だったが現在はほとんどがコンクリート造りになっているため、住宅対策は必要がなくなってきている。現在、重要になっているのは農業で、地下ダム水を使った塩害対策を行っている。宮古島は高いところでも海抜100メートルという平たんな島なので津波対策施設を作った」などと説明した。
研修生を代表してカリブ海にあるセントルシアから来たグスタブ・ドレイン・クリスティーンさんは「私たちは多くの危険にさらされるという共通点がある。日本の成功事例を学ぶためにやって来た。災害を克服してきた日本の長年の経験を学ぶことは各国の防災に利益をもたらすだろう。この貴重な経験で得た技能と知識を生かして尊い人命や国を守っていきたい」と感謝した。