平均糖度は14.58度/19-20年産キビ
宮糖多良間が操業開始/高品質で最高の滑り出し
【多良間】宮古製糖(安村勇社長)が管理・運営する多良間村製糖工場の2019-20年期サトウキビ製糖操業が9日、宮古地区の先頭を切って始まった。初日は計232㌧の原料(サトウキビ)を搬入し、平均糖度は14・58度。基準糖度帯(13・1~14・3度)を上回る最高の滑り出しとなった。今期操業は110日を予定している。
今期のサトウキビは当初順調に生育したが、8~9月に接近した台風で葉の裂傷が各地で発生。生育旺盛期の茎伸長が鈍化した。
この影響で地区全体の生産量は2期連続で30万㌧を割り込むことが見込まれている。ただ、多良間での生産見込み量は前期並みの2万5000㌧。今後の品質上昇が期待される。
操業初日の原料搬入は午後5時まで行われた。同工場がまとめた搬入概況によると、糖度区分別構成比は基準糖度帯以上の原料が全体の64・04%を占めた。基準帯は26・82%、基準以下はわずか9・14%だった。
操業開始式は製糖工場の施設内で行われた。初めに宮古製糖の安村社長をはじめ伊良皆光夫村長、富原安則村議らが工場の機械にサトウキビの束をそろって投げ入れ、今期の豊作と操業の安全を祈願した。
式典であいさつした安村社長は「操業開始を迎えられたのも村の取り組みをはじめ関係者と農家の連携のたまもの。農家の日ごろの肥培管理のおかげで2万5000㌧(今期生産見込み量)の原料で操業を開始することができた」と感謝した。その上で「農家の皆さんが丹精込めて育てたサトウキビを安全第一で操業し、ノンストップで良質の黒糖を作って多良間産を世界に広めていきたい」と決意を新たにした。
伊良皆村長は「12月に入って雨も続いたが、糖度は良いと聞いている。長い操業期間になるが、無事故無災害、安全第一の製糖操業で素晴らしい黒糖を作ってほしい」と激励した。
県宮古農林水産振興センターの長崎祐二所長は「新しくなった製糖工場での操業は2回目になる。今年も工場の力を十分に発揮して良い製品づくりに努めていただきたい」と期待した。
この後、操業の安全と豊作を願う鏡開きを行い、関係者が高々と乾杯した。