不登校数が過去最多/18年度宮古 前年度比41人増
市教育委員会によると市における2018年度の不登校の児童生徒数は小学生が33人、中学生が59人となった。前年度比では小学生が18人増、中学生が23人増で全体では41人増となり過去最多となっていることが11日の市議会12月定例会の一般質問の中で示された。
不登校の定義について文部科学省は、病気や経済的理由を除き、30日以上欠席した児童生徒としている。
不登校の要因について市教委は、子供たちがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やオンラインゲームなどで夜更かしをして、生活のリズムを崩すケースもあることを指摘。
そのほかにも、友人や教師らとうまく付き合えず、良好な対人関係が築けない場合や、学業の不振や将来の進路が不安になって無気力になるケースなども示した。
そのほかの増加要因について、下地信男教育部長は学校側の対応の変化についても説明した。
「これまでと学校側の対応も変化している。以前は、長期欠席を病気欠席という理由で処理していたものが、積極的に『不登校』と判断して本人や家庭と向き合って対処しようとしている。休みがちな子供を積極的に『不登校』と判断することで、ソーシャルワーカーなど関係機関につなぎ、早めに対処していることで数が増えている」と述べた。
市教委によると不登校の支援については、その要因となっている事柄を究明し、その要因を取り除いてできるだけ早く登校させることが目標だったが、17年3月からは国の支援の指針が変わっているという。
下地部長は「取り組みで変わった部分は、不登校について国は取り巻く環境によってはどの児童生徒にも起こり得ると捉えている。それだけで問題行動と受け取らず、支援に際しては『登校』という結果のみにこだわらず、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会に自立できるように関係機関と連携して支援するやり方になっている」と説明した。
その上で「不登校の児童生徒によっては学業の遅れなど進路選択の際に不利益になるリスクもあることからサポート教室、無料塾など学習が受けられるよう関係機関と連携をしている。不登校の解消もあるが、社会的に自立する支援もやっていきたい」と述べた。