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社会・全般
2019年12月15日(日)8:54

【花は島いろ】砂川直樹さん(45歳)

琉球温泉瀬長島ホテル取締役統括総料理長
沖縄食文化を島から発信


砂川直樹さん

砂川直樹さん

 【那覇支社】「沖縄の食文化を瀬長島から発信したい」と語るのは、砂川直樹さん(45)=平良荷川取出身=。那覇空港からほど近い「琉球温泉 瀬長島ホテル」(豊見城市)で、統括総料理長を務めて7年目になる。

 北小、北中を経て、那覇市内の私立高校と調理師専門学校を卒業後、県内のホテルや料理店だけでなく、香港でも修業を積んだ。沖縄・九州でホテル事業などを展開するWBFリゾート沖縄に料理長として2011年入社。翌年にオープンした「琉球温泉 瀬長島ホテル」で総料理長となった。

 総料理長は、ホテルの調理部門の最高責任者。メニューの考案や調理スタッフの管理、食材選びやコスト管理など重要な役割を担う。「当時、沖縄のホテルの総料理長は50代以上が多く、30代後半でなる人は少なかった。周りから『この若造』と絶対に思われたくなかった」と振り返る。

 その強い信念で毎年のように県調理技能競技大会などに出場し、これまで県知事賞や金賞、技術技能賞などを多数受賞。17年には、県優秀技能者として県知事賞を獲得した。 

 ホテルのレストランはゼロからの立ち上げで、オープン当初の1年間は認知度もなく利用者も安定しなかったという。2年目以降は、「お客さまが求めること、喜ぶこと」を考えた新メニューを開発したほか、新ジャンルの料理も勉強してメニューに取り入れた。

 その結果、「今では、ランチのファンや朝食目当ての宿泊客も増え、私を指名してくれるディナーの利用客もいる」と満足そうに話す。

 県内食材を多彩に使った郷土料理と和食を合わせた創作料理も展開。「『琉球和食』と呼んでいる。宮古の食材では、マンゴーやドラゴンフルーツなどをアレンジし、ソースなどに使っている」と強調する。

 また、「常に料理を通して感動をお客さまに届けることを心掛けている。『おいしい』と感動させて、喜んで幸せになってもらうことが料理人の醍醐味(だいごみ)」と力を込めた。

 料理人を目指したのは、高校時代の自炊生活で料理の楽しさに目覚めたことがきっかけ。「宮古のおばあちゃんが作ってくれた家庭料理を思い出し、チャンプルーや炒め物、鶏肉と野菜の煮込みなどを作っていた。食べるのも作るのも好きになった」と明かす。

 宮古へは年に数回は帰っているといい、「家で料理を作って父親や親戚たちに食べてもらう。人生の恩師で見本は父親。私立の高校や専門学校に行かせてくれた父親には、感謝しかない」と神妙に話す。

 ふるさと宮古への思いは、「宮古島の活性化に料理人として還元し、貢献していきたい気持ちはある。今まで育ててくれた宮古の方々や先輩方へのご恩を忘れず、アララガマ魂で精進していきたい」と語った。


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