急発進抑制装置に補助を/市議会一般質問で平良氏
高齢者の事故防止で/先進地事例挙げ対策促す
高齢ドライバーによる交通事故の防止策として平良敏夫氏は16日の市議会(佐久本洋介議長)12月定例会一般質問で、ペダルの踏み違いなどによる急発進、誤発進を抑制する安全運転支援装置の取り付け費用の一部を市が補助するよう要望した。平良氏は「重大事故が起こってからでは遅い」と述べ、市に交通事故の未然防止と、高齢者の移動手段の確保に向けた対応策を求めた。県内では、石垣市が65歳以上の市民を対象に支援装置の購入・設置費用を補助する事業を進めている。
平良氏は県警のまとめとして、宮古地区における70歳以上の高齢者ドライバーは15%で、沖縄本島の8%のほぼ2倍に当たると指摘。「宮古地区では高齢者による重大事故発生の可能性は高い」と述べ、市にその対策をただした。
垣花和彦生活環境部長は「支援装置の取り付けには自動車整備士が定められた講習を島外で受ける必要がある。これは事業者負担となっている」と課題を挙げながらも「高齢者運転者の事故発生状況を把握し、石垣市など他の市町村の動向を確認しながら検討していく」と答弁した。
宮古島警察署のまとめによると、2018年度管内における65歳以上の交通事故発生件数は24件で、全体(137件)の17・5%を占めているという。
石垣市総務部防災危機管理室によると、安全運転支援装置の取り付け費用の申請は10月末から受け付けている。50台の申込枠に大勢の市民が申し込んだため60台で応募を締め切り、現在はキャンセル待ちの状況だという。
補助率は9割で補助の上限は1台当たり8万円。事業費は400万円で「ふるさと納税」を活用する。
同危機管理室では「交通手段が限られており、路線バスが通っていない地区もある。また、農作業には車が必要というお年寄りも多い」と指摘。その上で「運転免許証の自主返納も促しているが、それだけではなく高齢ドライバーが安全に運転するための対策として事業を始めた」と話している。