製糖操業がスタート/宮古本島2工場、多良間工場
今後の品質向上に期待
宮古本島内の製糖2工場と宮古製糖多良間工場は7日、2010~11年期製糖操業を開始した。初日の搬入量は3工場を合わせて2456㌧、平均糖度は沖糖が14・0度、宮糖城辺が13・40度、宮糖多良間が11・87度。宮古本島2工場は基準糖度帯(13・1~14・3度)の品質を確保したが多良間工場は厳しい滑り出しとなった。3工場はそれぞれ操業開始式を行い、多くの関係者とともに操業期間中の無事故無災害と豊作を祈願した。
■沖糖宮古
沖糖の操業開始式は午前9時20分から行われた。今期原料搬入見込み量は13万5000㌧に設定。初日は1466㌧を搬入した。基準糖度帯内の原料が全体の35・71%、基準以上が41・17%、基準以下は23・12%。1㌧当たりの農家平均手取額は2万2591円。
砂川玄悠専務は「大きな気象災害はなく農家の努力があって4年連続の豊作になる。農家手取額も2万2291円と歴史上最高の価格で、企業にとっても農家にとってもキビ産業は大きい。宮古の元気が出る操業を展開していく」と述べた。
宮古島市の長濱政治副市長は「宮古のサトウキビは県全体に大きな影響を与える」と重要産業を強調し、併せて操業期間中の無事故無災害を祈願した。
■宮糖城辺
宮古製糖城辺工場の今期原料搬入見込み量は11万500㌧で初日の搬入量は818㌧。基準糖度帯内の原料は40・15%、基準以上は21・15%、基準以下は38・69%だった。1㌧当たりの農家平均手取額は2万1963円。操業開始式で安村勇社長は「今期のサトウキビは10月の台風で塩害を受けたため品質は昨年を下回る可能性がある。ただ、今後の気象条件によっては昨年に近い品質になることが期待される。生産農家が丹精込めて作り上げたサトウキビを一本残らず搬入して努力に報いたい」と話した。
式典では安村社長や宮古島市の長濱副市長ら関係者がキビの束を機械に投げ入れ、操業期間中の無事故無災害および質、量に優れた豊作に期待した。
■宮糖多良間
【多良間】宮古製糖多良間工場には初日172㌧のサトウキビが搬入された。平均糖度は11・87度と基準糖度帯を大きく下回る厳しい滑り出し。1㌧当たりの農家平均手取額は2万107円だった。
午後1時30分から操業開始式が行われ、奥平政彦専務らがあいさつし、無事故無災害で良い製品ができるよう祈念した。
初日に搬入された原料の品質は基準糖度帯内が19・5%、基準以上が5・9%、基準以下が全体の74・7%を占める結果だった。
同工場では「昨年10月に接近した台風14号の影響があると思う」と低糖度の要因を推測している。