意思疎通スムーズに/宮古島市
遠隔同時通訳システム導入/聴覚障がい者「非常に便利」
市障がい福祉課は14日、手話に対応した遠隔同時通訳システム(オンライン通訳)を市役所平良庁舎4階の同課窓口に導入した。タブレット端末に通訳者が表示され、即座に手話通訳を行う。実際に体験した聴覚障がい者からは「スムーズにやりとりができた」「意思疎通ができ、非常に便利だった」などと高評価を得た。
オンライン通訳は、東京都の企業が開発した「みえる通訳」を利用。手話以外にも英語や中国語、韓国語など10言語に対応している。全国カ所のコールセンターに待機している通訳者とインターネットでつなぎ、互いの映像を見ながらリアルタイムで通訳する。
昨年12月の市議会で予算が認められ、導入された。県内自治体での導入は3例目という。
今回は2台のタブレットを契約して、1台は同課の窓口専用に、1台は病院通院時に使用する。今後は庁舎全体で利用することや、病院に設置することも視野に入れる。
市内に聴覚障がい者は約50いるが、通訳者は5人と少ないのが現状。人手が足りない部分をオンライン通訳で補完することで利便性の向上を目指す。
宮古島聴覚障害者の会の砂川盛順会長と池間昭雄さんが同日、デモンストレーションを行った。各種申請書を届け出るために窓口を訪れ、市職員がオンライン通訳を利用して、手続きを完了するまでを体験した。
砂川会長は「心配なく使うことができた。コミュニケーションが取れて、とても良かった。病院や警察など多くの場所に設置されると便利になる」と今後の普及に期待した。
同課の宮國英輝係長は「通訳者がいないと帰ってしまう人もいた。このシステムを導入することで気軽に訪れるようになってほしい」と述べた。