機械刈り収穫 9割超え/サトウキビ
農家の高齢化裏付け/雨天時の原料確保など課題
宮古島市における2019-20年産サトウキビの収穫面積に占める機械刈りの割合が91・7%と過去最高に達している。前年に続き9割以上を占めた。収穫作業の効率化や、農家の高齢化に伴う労働力の減退が背景にある。一方で雨天時の原料確保等が課題に挙げられる。管理が行き届いていないほ場も見られ、効率的な運用に向けて全体意識の高揚が求められそうだ。
機械刈りの比率は、宮古地区ハーベスター運営協議会のまとめで分かった。
全体の収穫面積は5138㌶で、ハーベスターを使う機械刈り申請件数は4386件、面積は4710㌶に達した。機械刈り比率は前年の91・0%(実績は83・4%)を上回り、過去最高の申し込み状況となった。
地区別に見ると上野の比率が最も高く97・0%、そのほか平良、下地、城辺のいずれも9割を超えた。伊良部は84・1%だった。
収穫で機械刈りを選ぶ農家はここ数年で一気に増えた。大きな労力を伴う手刈りに比べて作業量が大幅に軽減されるためだ。今では収穫手段の主流となり、手刈りを選択する農家は全体の1割前後という現状が過去2年続いている。
機械化による作業の効率化と省力化が図られる一方で、ハーベスターの多くが雨天時に稼働できないことから、その間の原料(サトウキビ)確保が毎年頭痛の種となっている。
雨が降り続くと機械刈りがストップし、原料不足が生じる。この影響で製糖工場は圧搾機を止めたり、スロー運転をしたりして対応せざるを得なくなる。結果として製糖期間が後ろにずれ込むことも出てくる。こういった悪循環に陥らない対策が求められている。
また、同運営協議会によると、管理の行き届いていないほ場が今も散見されるという。反収(10㌃当たり収量)が3㌧にも満たない畑などがそれに当たる。このようなほ場は総じて雑草が多く、機械が入りづらい上に収穫作業の効率が極端に落ちる。畝幅が狭く、畑の境界ぎりぎりまでサトウキビが植えてある畑での作業も同様だという。同協議会では、引き続き農家に改善と協力を促している。
宮古地区全体の今期生産量は約万5600㌧が見込まれている。多良間村を含め、全4製糖工場が今期の操業を始めている。