内閣総理大臣賞を報告/伊良部出身の平良さん(71歳)
「ものづくりに終わりない」
【那覇支社】第8回ものづくり日本大賞(内閣総理大臣表彰)を受賞した伊良部出身の平良恒雄さん(71)は17日、県庁に富川盛武副知事を表敬訪問して受賞を報告した。平良さんは「自分のものづくりに終わりはない。後輩の指導はもちろん、自分自身の技術にも磨きをかけていきたい」と意気込みを語った。
ものづくり日本大賞は、製造・生産現場の中核を担う中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりに携わる各世代で特に優秀な人材を顕彰するもの。経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、2005年から隔年で開催している。
琉球ガラス村でガラス吹工として働く平良さんは、長年にわたり手作りガラス工芸製作に従事し、琉球ガラスの加色に関する新技法を生み出すとともに、県内で初となる板ガラスの実用化に貢献したことなどが高く評価された。
報告会には、「2019年卓越した技能者の表彰(厚生労働大臣表彰)」を受賞した琉球ガラス村の上原徳三さん(67)と、「19年度職業能力関係厚生労働大臣表彰」を受けた永山軽天の永山正和さん(69)も同席し、富川副知事に受賞の喜びを語った。
富川副知事は、報告を受け「受賞なさった皆さんは、本県の産業振興に大きく貢献してこられた方々であり、ものづくりに対する情熱とたゆまぬ努力を重ねてこられたことに対し、深く敬意を表する」と述べた。
その上で、「非常にグレードの高い賞を受賞され、沖縄の誇りになる。皆さんのご活躍は技能を極めようとする若者の模範となり、将来を担う優秀な技能者の確保につながると期待している」と激励した。
報告会終了後、平良さんは8日に首相官邸で行われた表彰式について「頭が真っ白になるくらい緊張したが、宮古本島から見た伊良部島の景色を表現した作品を通して、ふるさと宮古の魅力を総理にアピールすることができてよかった」と喜びを語った。