空港に消毒マット/宮古島市
豚コレラで水際対策/到着口2カ所に設置
沖縄本島中部地区で相次いで発生した豚コレラ(CSF)の侵入防止対策で、宮古島市が23日、宮古空港内に踏み込み式の消毒マットを設置した。同日から乗客らが利用を始めている。消毒マットは豚コレラに限らず、口蹄(こうてい)疫など悪性の家畜伝染病の侵入防止対策においても有用性がある。このため市は、豚コレラ終息宣言後も常備する方向で調整を進め、水際対策に万全を期す方針だ。
空港到着口の2カ所に置いた消毒マットの大きさは縦90㌢、横180㌢で、厚さは2㌢ほどある。出口に薬剤を染み込ませたマットと、ぬれた靴底を拭くためのマットをセットで置いた。消毒マットには1日に数回、薬剤を染み込ませる。
汚染地域外の宮古島市では、原則として島の外から入る人が消毒マットを利用する対象者となる。ウイルスの侵入を防ぐ靴底消毒の有用性は広く認められており、豚コレラのほか、口蹄疫や鳥インフルエンザなど悪性家畜伝染病全般で防疫効果が発揮される。
今回の設置予算は、市の単費を充てた。当面の防疫措置として3月末までを設置期間としているが、常設に向けて検討を続ける。
昨年3月に民間運用が再開された下地島空港は、国際線のみ消毒マットが置かれているが、県によると国内線にも設置する方向で準備が進められている。
海路の防疫対策は実施済みで、クルーズ船の乗客は船内で消毒マットを踏み込んでから入島している。
市農林水産部の松原清光部長は「豚コレラの発生以降、市でも関係機関と対策を協議してきた。空港での水際防疫対策をしっかり行い、侵入を防止し、畜産農家に安心感を与えたい。終息宣言が出るまでしっかり取り組んでいきたい」と話した。
設置作業に立ち会った宮古家畜保健衛生所の砂川尚哉所長は「侵入リスクを減らすという意味では確実に効果がある」と防疫体制の強化を評価し、「豚コレラ以外の家畜伝染病にも有用性があるので、常時設置が望ましい」と話した。