集落に「ホーイホイ」/上野野原サティパロウ
子どもたちが厄払い
ユネスコ無形文化遺産に登録された国指定の重要無形民俗文化財「上野野原のサティパロウ(里はらい)」が23日、同地区で行われた。パーントゥの仮面をかぶった男の子を先頭に、地元の女性らが集落内を歩いて「ホーイホイ」と厄を払った。
旧暦12月の最後の丑(うし)の日に執り行われるサティパロウ。起源は定かではないが、野原集落に古くから伝わる行事だ。
午後6時ごろ、女性が指定の場所に集まって準備を始め慣れた手つきでクロツグとセンニンソウを腰と頭に巻いた。
パーントゥとなる男の子が到着すると仮面を持たせて出発。この日のパーントゥは上野小3年の砂川來輝君。仮面をかぶって先頭を歩き「ホーイホイ」と厄を払ったほか、交差点ではパーントゥを中心に円をつくって清めた。
集落の外れまで歩くとクロツグとセンニンソウを取り、一カ所にまとめて祈りをささげて伝統のサティパロウを終えた。
初めてパーントゥを務めた砂川君は「仮面を付けていたので少し歩きにくかったけど、楽しかった」と笑顔で話した。
大人になってからは初めての参加となった砂川君の母・みさとさん(32)は「今回は息子がパーントゥなので参加した。記念に残るサティパロウになった」と話した。