正しい情報伝達重要/宮古病院
外国人患者受け入れで勉強会
県立宮古病院で30日、外国人患者受け入れ対応力向上勉強会が開かれた。職員約25人が参加し、患者に診療方法を伝える際の重要性を再確認しながら対応力を高めた。講師は東京医科歯科大学付属病院国際医療部副部長の二見茜さん。「薬の量を間違えただけで命に関わることもある。重要な医療説明は正確に伝えなければならない」と話した。
勉強会は県のインバウンド対応医療態勢整備支援事業の一環。外国人観光客が急増していることが背景にあり、比例して増える外国人患者への対応力を高めることを狙いに開かれた。
医療機関向けのインバウンド対応相談窓口でアドバイザーを務めている二見さんは「言葉が通じないと患者は不安になる。言葉の壁は大きい」と外国人の心境を代弁し、「あいさつだけでも落ち着く。その上で日本語か易しい英語で話すのが良い。英語が完璧じゃなくても良いので、分かりやすく伝えることを心掛けてほしい」と助言した。
診療費については「支払えないからといって診療は拒否できない」と話し、患者や家族とよく相談して対応するよう呼び掛けた。
外国人患者に対応する場合の機械通訳の活用を認めながらも「正確に伝わっているのかどうかは確認ができない。イエスやノーで答えられるような簡単な会話は良いが、診察や検査、手術などの治療の説明であれば電話、ビデオ、対面の医療通訳を使うようにしてほしい」と話し、医療事故の防止に向けて正しい情報伝達の重要性を説いた。
薬の飲み方を誤って聞き取った外国人患者の事例も報告しながら、「薬の量を間違えただけでも命に関わるケースがあるため、患者が理解できる言葉や対応できちんと説明することが重要になる」と話し、県が実施する医療通訳サービスなどの活用を促した。
参加者はワークショップも行い、患者のケースごとに対応を学んでいた。