一般会計7514億円/20年度県当初予算案
2年連続の増加
【那覇支社】県は5日、2020年度の当初予算案を庁議で決定した。一般会計予算総額は、前年度比2・2%増の7514億円となった。国からのソフト交付金は減額となったものの、堅調な県内景気や消費税率の引き上げで県税が過去最大の1393億円計上されたほか、社会保障関係費が増加したことなどが影響した。
離島交通関係では、航空料金に対する離島割引などへの支援を行う「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」が23億6580万円(前年比0・8%増)。小規模離島航路の船舶建造や購入費用を補助する「離島航路運航安定化支援事業」には、多良間航路や伊江航路の船舶更新などに23億2860万円(同18・4%増)が盛り込まれた。
また、農業関係では農水産物の輸送費を補助する「農林水産物流通条件不利性解消事業」に28億2500万円(同1・0%減)を計上。県産黒糖の消費増を目指すプロモーション推進事業には、新たに3460万円を確保した。サトウキビの機械化一貫体系を推進する費用としては、1億2180万円(同291・3%増)を計上した。
豚コレラ(CSF)など家畜伝染病の発生予防やまん延防止が目的の「家畜伝染病予防事業」には、3億1140万円(同218・8%増)を確保した。
土木関係では、電線の地中化を進める「無電柱化推進事業」に11億4060万円(同60・8%増)を計上。多良間空港の手荷物受取所を拡張する「離島空港旅客施設等機能向上整備事業」には、新たに1億2700万円を盛り込んだ。
教育関係では、宮古総合実業高校や沖縄水産高校の実習船(海邦丸五世)の代船建造などに要する費用として「県実習船代船建造事業」に16億690万円(同108・6%増)、高校未設置の離島出身の高校生を居住や通学の面で支える「離島高校生修学支援事業」には3110万円(同2・1%減)を計上した。
首里城の再建に向けては、基本構想策定などを行う「首里城復興推進事業」に3650万円、防火体制の検討や5月から始まる予定の「遺構」公開に向けた通路を設置する「首里城復旧・復興事業」には1億4720万円を、新たに確保した。
このほか、モノレールの3両化に向けた「沖縄都市モノレール輸送力増強事業」に6億8860万円、国境離島の警備対策を行う「離島警備対策事業」には16億470万円を、それぞれ新規で計上した。