操業順調、品質高く/19-20年産サトウキビ
沖糖14・46度、宮糖13・95度/宮古2工場が開始1カ月
宮古本島内製糖2工場の2019-20年期製糖操業は6日、開始から1カ月を迎えた。これまでに搬入された原料(サトウキビ)は沖縄製糖宮古工場が4万7140㌧、宮古製糖城辺工場が4万390㌧。天候不良による原料不足もなく、それぞれ順調な操業を続けている。搬入される原料の品質が良く、平均糖度は沖糖が14・46度、宮糖は13・95度と高い数字が出ている。
今期の操業は1月7日に始まった。以降は天候に恵まれてハーベスターがフル稼働しており、機械刈りの原料が順調に搬入されている。雨の影響による原料不足で圧搾機をスロー運転にしたり、止めたりする作業ロスもここまではない。
6日の各社搬入概況によると、沖糖の糖度区分別構成比は基準糖度帯(13・1~14・3度)以上の原料が全体の54・61%に上る。基準糖度帯は36・86%で基準以下は8・52%だった。
一方の宮糖は、基準糖度帯内の原料が全体の49・11%、基準以上は33・92%で基準以下は16・97%。
ここまでの品質からはじく1㌧当たりの農家平均手取額は、沖糖が2万2088円、宮糖が2万1814円となっている。
両工場の農務担当は「ここまで順調な操業が続いている。品質が良い」と口をそろえる。ただ、主流の株出し栽培の反収(10㌃当たり収量)が思うように上がらないことを懸念。「2年以上の株は更新を」と生産農家に呼び掛けている。
宮古地区の19-20年産サトウキビの生産見込み量は29万5600㌧。当初は順調な生育を見せ、台風がない8月までは増産が見込まれていたが、その後に発生した複数の台風で葉の裂傷被害が相次いだ。結果として青葉の回復と展開に要する時間も確保できず、塩害も追い打ちを掛けた。
この影響で、9月上旬から10月上旬にかけての1カ月は茎の伸長がほぼ止まるほど生育が阻害され、生産量が伸び悩んでいる。
ただ、品質は良く、糖度は高い。農家の所得が糖度で増減する制度上、一層の品質上昇が期待される。