信用店舗を再編へ/JAおきなわ
宮古地区4カ所に 購買機能は維持
【那覇支社】JAおきなわ(普天間朝重理事長)は7日、一部で報じられていた店舗の統廃合について那覇市のJA会館で会見を行った。信用店舗を県全体で現状の102カ所から約70カ所(宮古地区は4カ所)に再編する計画素案を、20日開催予定の経営管理委員会で審議するといい、又吉宗光常務理事は開いた会見で「稼ぎ頭の信用事業で厳しい局面が継続している。費用の圧縮や経費の削減を避けて通れない」と述べた。
信用店舗の再編時期について、又吉常務理事は「2年程度で行いたい」とした。サービスの低下を避けるため、移動金融店舗車の導入も行っていくという。
宮古地区では、平良、城辺、多良間の3支店で信用事業を継続する。伊良部支店は、信用業務のフルサービスは行わず、預金自動預払機(ATM)を設置して職員が操作の説明などを行う「よりそいプラザ」とする。宮古、上野、下地支店は、購買機能は維持しつつ信用事業を停止する。
又吉常務理事によると、JAおきなわの信用事業では調達した9000億円近い貯金のうち約7割を農林中央金庫に預金して「奨励金」を受け取る形を取っている。この奨励金の受け取り額が、マイナス金利の影響で今年度から4年間にわたり約2億円ずつ、最終的には約8億円が削減される予定という。
又吉常務理事は、貸し出し金利収入の低下を毎年2億円ずつ見込む必要があることなども指摘し、「事業利益段階で赤字にならざるを得ない」と危機感をあわらにした。一方で、統廃合に伴う人員削減は行わない方針も示した。
JAおきなわでは、信用店舗の再編で10億円の費用削減を計画している。今後は、生産資材店舗の再編(案の段階で64店舗を37店舗に削減)も行い、合計約17億円の費用削減を見込むが、又吉常務理事は「生産資材店舗は現状をとどめてほしいという要望が上がっているのも事実。(生産資材店舗の再編は)もっと良いやり方がないか、現場で一生懸命考えている」と述べた。
宮古地区の店舗再編については「宮古は物量が多いので、生産資材の店舗としての機能は残し、信用事業の集約を行う方向」と語った。