料理供え先祖供養/十六日祭
「グソー」の正月祝う
旧暦1月16日は後世(グソー、あの世)の正月と呼ばれる「十六日祭(ジュウルクニツ)」。多くの家族が墓地に出向き、料理を供えて先祖を供養しながら感謝の祈りをささげた。
十六日祭は、宮古や八重山地方で盛んに行われている旧暦行事で、島の内外から親類が集う。飛行機の臨時便が飛ぶほど島への人の入りが多くなる日だ。
多くの家族は午後から墓地を訪れた。墓前に豚肉や魚料理、菓子類などを供えると、墓庭に座り、複数の世代が同時に手を合わせて先祖を供養。グソーの正月を共に祝いながら日ごろの見守りに感謝を込めた。
國仲さんの一族は、平良荷川取地区にある墓地団地に集まった。4家族が顔をそろえ、それぞれの家族で持ち寄ったごちそうを囲みながら先祖を供養した。
國仲聡さん(59)は「毎年集まって先祖の正月を盛大に祝っている。私たち親族にとってはとても大事な行事で、私たちを見守ってくれている先祖に心から感謝している」と話した。
那覇市在住の國仲愛梨さん(35)もこの日だけは毎年帰ってくる。「私たちを見守ってくれる先祖に感謝の気持ちを伝えた」としみじみ語り、「親戚みんなが顔を合わせる機会はなかなかない。親族の絆も深められる」とかみしめた。
実家が平良にある平良聡さん(56)は、石垣島から訪れた。「毎年帰ってきている。家族みんながこうして健康でいられるのも、先祖が見守ってくれているおかげ。感謝している」と話しながら手を合わせた。