指定管理者申請書類に不備/伊良部大橋橋詰め広場
市に代表者変更報告怠る
1月30日に行われた市議会の臨時会で、伊良部大橋橋詰め広場(伊良部大橋観光拠点施設)の指定管理者を伊良部島産業振興(奥濱剛社長)に委託する議案が可決されたが、同社が候補者として選定されるまでの過程で、代表者を変更したにもかかわらず当局にそれを報告しないまま選定委員会に臨み、指定管理候補になっていたことが分かった。市伊良部支所は「企業側の議案に対する認識が低かった部分もある。同社からは市長宛てに詫び状も提出されている。今後は再発防止を図りたい」と述べた。
この問題は、臨時会でも取り上げられ、一部の議員から昨年11月に代表者が川平三秀氏から奥濱社長に移っていたことについて当局に説明が求められた。
同支所の説明によると、同施設における指定管理者候補の申請期間は昨年10月16日~同11月15日までの1カ月間。期間中に同社を含む2社の応募があった。
この2社から候補となる1社を決める選定委員会が12月23日に行われて同社が候補に決定。1月の臨時会に同社を指定管理者とする議案が提案され可決された。
しかし、同社は選定委前の月の段階で代表者を変更したにもかかわらず、申請書の変更もないまま12月23日に行われた選定委員会に臨み、その際にも市側に代表者変更の報告はなかったという。
代表者変更について市は、1月28日に把握し、提案議案を修正。それを踏まえて議会で審議して可決されている。
市の指定管理者募集要項では「軽微のものを除き、提出された書類の変更は認めない」や「虚偽の記載をした場合や不正があった場合、当該申請は無効とする」などの文言が記載されている。
同支所の上地成人支所長は「代表者変更は体調不良が理由と聞いている。変更について事前に聞いていれば私たちも指摘して差し替えさせた」と話した。
募集要項との整合性については「あくまで代表者のみの変更で『軽微』と理解している。事業計画などは変更していないので違反もしていないという認識」との見解を示した。
4月の供用開始を予定している同施設は、1階部分が売店(130平方㍍)で、そのほかにも事務室、給湯室などが設置される。
また、2階部分は伊良部大橋と宮古島を眺めながら食事ができる座席数80席のレストラン(125平方㍍)となっている。