新型コロナ、県内初確認/沖縄本島のタクシー運転手
クルーズ船客から感染か
【那覇支社】玉城デニー知事は14日、県内で初めて新型コロナウイルス感染症の患者1人が確認されたと発表した。患者は沖縄本島の南部保健所管内在住の女性タクシー運転手(60代)で、感染者が見つかっているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が1日に那覇港へ寄港した際、観光客4人を乗車させたという。県は、女性との濃厚接触者15人程度を特定して健康状態の把握に努めている。
ダイヤモンド・プリンセス号は1月20日に横浜を出航し、鹿児島、香港などを経て1日、那覇港に到着。少なくとも2679人が那覇で下船して観光などを行い、女性は日本人とみられる観光客を乗せて那覇港から観光施設へ移動しているという。
県によると、女性は5日にせきが悪化して関節痛などの症状が出たほか、12日に電話で南部保健所に相談して一般医療機関で受診し肺炎の症状があると診断された。
その後、県衛生環境研究所で行った遺伝子検査で13日に「陽性」と判断されたほか、確認検査も痰(たん)の検体から新型コロナウイルス遺伝子が検出されため、感染が確定した。女性は13日から感染症指定医療機関で入院療養中で、発熱はなく、県の担当者は「重症ではない」と強調した。
県は、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客らと接触した可能性があるバスやタクシーの運転手、那覇港バースの警備員など約200人の健康状態を調査しており、発症の報告はなかったという。ただ、女性は県が確認していたリストには入っていなかったといい、乗客と接触した全員を把握する難しさも明らかになった。
玉城デニー知事は、会見で「ダイヤモンド・プリンセス号の乗客と接触するなど感染の可能性がある方にせきや発熱の症状が出た場合には、遺伝子検査を実施する体制を確保している。県医師会等と連携し、患者に対する医療提供にも万全を期している」と強調したほか、県民にも手洗いなど予防策の徹底を求めた。