尖閣周辺漁場に調査へ
486万円予算化 3漁協の水揚げ実績受け
国がこのほど、宮古の三漁協(伊良部、宮古島、池間島)から尖閣諸島周辺漁場で水揚げした魚類実績報告を受け、同周辺で漁場調査・外国船操業状況調査に乗り出す方針を固めていたことが9日までに分かった。県や三漁協の関係者らへの取材で明らかになった。調査費は予算化され、伊良部漁協が350万円、宮古島漁協136万円の計486万円。国が調査に着手するのは異例とされる。
今年度予算であることから、2~3月に数回に分けて本格的な調査が実施される見込み。県や三漁協が全面的に協力し、漁船チャーターで実施する方針。調査を前に、水産庁は近く地元で説明会を開く予定。
魚類水揚げ実績は、過去4年(2007~10年)が対象。関係者らによると、県内で実績があったのは宮古の三漁協だけという。
このうち、伊良部漁協が水揚げしたウブシュウ(和名スマ)やキハダマグロ、カツオなどの実績は、計約68㌧、金額にして約3400万円。漁船延べ31隻が出漁し、操業総日数は258日。1隻当たりの操業日数は8・3日。1隻当たりの水揚げ高は約109万円。
年別の出漁隻数は、07年が10隻、08年8隻、09年7隻、10年6隻。10年は日本・中国・台湾の尖閣諸島の領有権問題などが要因で、出漁隻数は減少した。
尖閣諸島は、魚釣島、久場島(別名黄尾嶼など)、大正島(別名赤尾嶼など)、北小島、南小島の5島と3岩礁の総称。佐良浜の方言では「ウコン」と総称している。伊良部島北西約163㌔に位置している。