コーチングの基本学ぶ/発達障害勉強会
NPO法人マーズ主催 桑原氏(川崎福祉大非常勤講師)が講演
川崎福祉大学非常勤講師の桑原綾子氏を講師に招いての「発達障害(大人と子ども)のお勉強会(コーチング)」(主催・NPO法人マーズ)が9日、宮古福祉保健所で開かれた。福祉施設の職員ら約60人が参加し、コーチングの基本スキルなどを学んだ。
コーチングとは、相手の中にある可能性を引き出し、自発的な行動を促進させることで夢や目標の実現をサポートするコミュニケーション技術。勉強会では、自閉症患者やその家族らを支援する事業所「ライフサポート ここはうす」(愛媛県)の所長も務める桑原氏が、コーチングの前提となる考え方や基本スキルなどについて、具体例を示しながら説明した。
話すことイコールコミュニケーションではなく、言葉で7%、話し方で38%、行動で55%を伝えていると語る桑原氏は、「話し方や行動では、発達障害の人に伝わりにくいので、相手に合った言葉で伝えることが必要」との考えを示した。
コーチングの基本的スキルとしては、相手の話を心を込めて真剣に聞く「傾聴」や、質問などを使った方法を紹介。傾聴のスキルを実践するポイントとしては、▽気持ちにゆとりを持って、最後までじっくりと聞く▽相手の話が終わったら要点をまとめて確認する▽言うべきことは最後にまとめる-ことなどを挙げた。
相手を褒めることもコーチングのスキルの一つと話す桑原氏。「努力したことはよく褒められるが、発達障害の人に対しては日常的に十分できていることを認め、褒めてあげることも大切」との思いを語った。