県内3例目を確認/新型肺炎
市中感染の可能性も
【那覇支社】県は20日、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)について県内3例目の患者を確認したと発表した。患者は豊見城市在住の男性(80代)で医療機関の一般病棟で個室に入院中といい、砂川靖保健医療部長は、「男性はダイヤモンド・プリンセス号(関係者)との接触は確認されていない。市中感染の可能性は否定できない」と述べた。
玉城デニー知事は同日、危機管理対策本部会議を開催し、「県民の皆さまは引き続きマスクの着用やせきエチケットなどを行ってほしい。不安に思われる方は、県作成の『新型コロナに感染したかも』に示すフロー図や24時間対応のコールセンター(電話番号098・866・2129)に相談してほしい」と述べ、冷静な対応を呼び掛けた。
県によると、男性は6日に微熱が出て17日には36・8度の発熱で下痢や倦怠感、食欲不振の症状があったため病院で受診して入院。咳などの症状はなかったが、CT検査で肺炎が見つかったため検査したところ20日に感染が確認された。呼吸不全はなく、会話も可能で1例目や2例目の患者との接触は確認されていないという。
現在、男性が入院しているのは感染症指定医療機関ではないが、砂川部長は「入院している病院は救急医療機関でもあるので院内感染対策の考えは持っている」と述べた。ただ、県の担当者は「(入院しているのは)感染症用の部屋ではないと思うのでリスクを考えながら(転院も)検討していく」とした。
また、砂川部長は県内での発生状況に関する判断について「沖縄本島の南部はひょっとしたら感染の第二、第三段階と考える時期にあるかもしれないし、宮古・八重山はまだ第一段階というような、圏域ごとに柔軟に行っても良いかもしれない」と述べ、地区ごとに感染状況が異なる可能性を示した。