ふるさと納税 4億円突破/宮古島市19年度
市への「寄付」過去最高/返礼品のマンゴーなど人気
古里や応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」で、宮古島市への2019年度の寄付額が12月末時点で4億2300万円に達し、過去最高額を更新した。初の4億円台で、前年度の寄付額を約1億5900万円上回った。増額の要因は、返礼割合の格差の平準化とみられる。全国各地で生じた返礼品の高額化が抑えられたことで納税者の選択肢が広がり、知名度および返礼品が充実している市への寄付額が押し上げられたと見る向きが強い。
市への寄付額は、17年度の3億4300万円が過去最高額だった。それまで右肩上がりの実績で推移していたが、18年度は減額。国による返礼割合3割以下の通知に従い、一部でこの割合を超えていた返礼品を見直したことが影響した。
だが、19年度は国の指導が全国各地に浸透し、3割以下とする返礼割合が平準化された。これにより返礼品の格差が解消され、寄付する自治体を探す納税者の選択の幅が広がった。
こうした制度の枠組みの中で、市への寄付額は好調に推移した。担当する市企画調整課によると、4月から前年度を上回るペースで寄付があり、12月は1カ月だけで累計額の7割超に相当する約3億1000万円の寄付があったという。
返礼品で人気があるのはマンゴーや宮古牛だ。そのほか、旅行クーポンやゴルフ券などを求める納税者も多く、宮古島の知名度の広がりを印象付けている。
18年度における寄付額が前年度割れしていたことを踏まえ、市企画政策部の友利克部長は「どうなるのか心配な部分もあったが順調に推移してくれた。(返礼割合の)平準化によるものも大きいが、宮古島の知名度が広がっていることも要因の一つと考えている」と話し、寄付の背景に旺盛な観光需要を重ね合わせて増額要因を推し量った。
今回の寄付額は、27日開会の市議会3月定例会に提出される19年度一般会計補正予算案に盛り込まれている。可決後はいったん基金に積み立て、後に市の一般財源として活用される。
ふるさと納税は、古里や応援したい自治体に寄付ができる制度。寄付額から原則2000円を引いた額が所得税・住民税から控除される仕組みだ。自治体は寄付者に対して地元特産などの返礼品で応じている。