第36回トライ大会、中止に
新型肺炎感染拡大影響で/専門委全体会議で決定
宮古島最大のスポーツイベントの全日本トライアスロン宮古島大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になる。過去に天候の影響で競技内容の変更はあったが大会自体が中止となるのは初めて。27日に市総合体育館で開かれた大会専門委員会全体会議で開催可否が議論され、全会一致で今年の第36回大会の中止を決めた。3月2日に開かれる大会実行委員会の臨時総会で正式決定する。
大会は外国人選手を含む全国47都道府県から1700人が出場する。大会を支えるボランティアは5000人でスポーツアイランドの「代名詞」ともいえる宮古島を代表するイベントで毎年4月に開催されている。今年は4月19日に開催予定だった。
専門委員会全体会議で大会実行委員長の長濱政治副市長は国内での新型コロナウイルス感染拡大を説明した上で「中止か延期か、議論して意見をまとめてほしい」と話したが、現状では「ハードルが高い。市にはリスクを冒してまで(大会を)やるという選択肢はない」と大会中止に理解を求めた。
市健康増進課の仲宗根美佐子課長が新型コロナウイルス感染症について「先が見通せない」と現状を説明。宮古地区医師会長、宮古保健所長からは「感染者が確認された場合、島では宮古病院がただ一つの指定病院なので感染者を収容する。そうなるとさまざまな患者がいる宮古病院の機能が止まり、市民を守れない。5000人のボランティアが感染しないか心配だ」「まだ感染源も特定されておらず、どこで感染するかも分かっていない」と危機感を表明した。
委員からは「学生ボランティアも多く参加する。学校側は出さないだろう。保護者の立場からも出したくないだろう」と中止を求めた。
延期案については事務局が「スケジュール的に無理がある」と否定的だった。別の委員からは、選手の納付した参加費について質問があったが事務局は「全額返還する」と返答した。
大会実行委員会会長の下地敏彦市長は同日開会した市議会3月定例会の施政方針の中で「新型コロナウイルス感染症対策については未然防止に努めているが国内の広い範囲で感染が拡大している。そのため、第36回全日本トライアスロン宮古島大会についてはトライアスロン実行委員会を開き、開催の必要性を改めて検討する」と述べ、大会中止を示唆していた。