観光地インフラ整備へ
駐車場、トイレ中心に/市推進協で素案を確認
宮古島市における観光地の主要インフラ整備計画案が固まった。駐車場、トイレ、シャワーの整備を中心に、市内19カ所の観光地インフラを整える。下地島空港周辺の「17エンド」西側には駐車場を新設。下地の前浜はトイレとシャワーの再整備の検討に入る。そのほかの観光地も利用機能を充実させ、観光客や地域住民の満足度向上を図る。5日に開かれた市観光推進協議会で素案を確認した。
市は昨年8月、観光受け入れに係る主にハード面の状況調査や自然環境影響調査でビーチや観光施設の整備課題を掘り下げた。ビーチでは、水飲み場やシャワー、トイレの老朽化の進行などを確認。駐車場の利用状況もくまなく調べた。
各観光地の実態を踏まえて作成したインフラ整備計画案では、自然や景観の持続性のほか、地域住民と観光客双方の満足度の向上を重視。この方向性を素案内容の全面に打ち出した。
インフラ整備する観光地は19カ所で、それぞれスケジュールを立てた。優先度をつけ、目安としてAは1~2年以内、Bは3~5年以内の整備、Cは整備内容の方針検討などとした。
前浜の施設整備は県営公園整備事業と合わせて進める。港側のトイレ、シャワーほか、ハイシーズンには手狭になる「マイパマエスカーサ」(旧ウィンディーまいばま)駐車場の再整備も視野に入れている。
下地島空港周辺の「17エンド」西側に新設する駐車場は乗用車、バス合わせて30台分程度を確保する。城辺吉野海岸の老朽化したトイレとシャワーは修繕の見通し。経年劣化調査を踏まえて建て替えを検討する。
市熱帯植物園・体験工芸村は、クルーズ船寄港時に駐車場が満車になる。このため、施設内にバス専用駐車場の整備を進める。
伊良部の中の島海岸(通称・カヤッファ)は、離岸流による事故が時々発生していることから海岸利用のルール作りを優先。その後駐車場整備を考える。牧山展望台は施設全体の老朽化に対応していく方針。
来間島の竜宮城展望台は内外壁の塗装作業を実施するとともに、トイレを和式から洋式に改修する。
そのほかの観光地整備にも順次着手し、インフラを整えて利便性を高める。
5日に市役所平良庁舎で開かれた市観光推進協議会の会合で、これらの計画素案を確認した。今後委員の意見などを踏まえ、年度内には最終形に仕上げる。
会合ではこのほか、実務担当者会議(部会)の報告もあり、観光地におけるごみ対策やローカルルールの導入、観光客増加に伴う受け入れキャパシティーに関する課題を抽出。市が掲げる2028年度の入域観光客数200万人を想定した対策の必要性を共有した。