子の居場所、どう確保/保護者の負担増加
新型肺炎で学校臨時休校
新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校の臨時休校(休業)措置をめぐり、子供たちの居場所づくりが課題として浮上している。放課後児童クラブは開かれているが、入所登録のない児童は入れない。誰でも入館できる児童館は休館で利用できないため、特に預け先のない共働き世帯は対応に追われている。那覇市など県内各市の教育委員会は低学年児童を学校で預かっているが、宮古島市は原則として受け入れていない。支援が必要な児童、家庭への目配りが求められそうだ。
宮古島市教育委員会は3日から15日までの休校を決めている。放課後児童クラブや民間の受け入れ施設を利用している児童は多くいるが、こういった施設を利用していない児童の世話をしたり、食事を提供したりする保護者の負担は増している。特に、小さな子供を持つ共働き世帯が対応に追われており、預け先がない親になるとなおさらだ。
こうした社会状況を踏まえて、学校を開放して児童を受け入れている自治体がある。宮古毎日新聞社が県内11市(休校していない石垣市除く)の対応を調べたところ、宮古島市と豊見城市以外の自治体は受け入れている。感染リスクを回避するため、対象学年(主に低学年児童)や預かり時間が限られるほか、いくつかの条件を満たさなければならないが、学童施設のような位置付けで児童を迎え入れる環境を整えている。
ほかの自治体とは異なる対応に宮古島市教育委員会の宮國博教育長は「学校を全面的に閉鎖しているわけではない。例えば、学校の図書館に本を借りに来たり返しに来たりすることは禁じていない」という現状に触れ、「体育館や教室で複数の児童生徒が集まってスポーツや何かをするということは控えさせるようにしている」とする市教育委員会のスタンスを示した。
屋内預かりについては下地信男教育部長も「学校休校の趣旨に反するのではないか。保護者や学校側からの要望もない」と話し、現段階においては受け入れの必要性を認めていない。
ただ、実際に困っている家庭はある。共働き世帯の34歳女性は小学生2人の子を持つ。両親も働いていて実家にも預けられない。
休校に入ってからの子供は自宅で過ごす時間が長いといい、「部活もないので外に行けず、ストレスをためていないかどうか心配になる」という。学校が受け入れるのであれば「行かせたい」と切望した。
別の共働き世帯で低学年児童を抱える38歳女性も同様で、預け先が基本的にはない。「お昼ご飯が一番悩むところです。行く所もないからストレスをためているようで兄弟げんかが増えている」と漏らす。仮に学校が受け入れてくれるのであれば「行かせたい」と即答し、「宮古では感染者がいないので、子供の学習面のことも考えて早めに再開してほしい」と話した。