観光地への人出、大幅減/東平安名崎
空席目立つ観光バス/広がる新型肺炎の影響
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響は、宮古観光にも厳しい現実を突き付けている。宮古を代表する観光地の一つの東平安名崎でも3月に入り、訪れる観光客の数は大幅に減っているようだ。現地に訪れた観光バスもツアーの乗客は少なく、バスの運転手や現地のパーラーなどからも観光客が大幅に減った厳しい現状を嘆く声が聞かれている。
東平安名崎の駐車場でアイスクリームや飲み物を提供するパーラーからは「今月に入り観光客はかなり減った。毎年、この時期は卒業旅行もあり、学生も多いが今年は例年と全然違う。10年やっているがこんな3月は初めて」と頭を抱える。
さらに「観光バスは何台も訪れているが、今月に入り乗っている人の数は本当に少なくなってきている」と話した。
実際に観光バスのガイドに話を聞くと「この時期は団体旅行が多い時期だが、ツアー参加者のキャンセルが多く、ツアーの参加人数が少ない。それでも宮古はまだツアーそのものがキャンセルになっていないので助かっている。とにかく早めに元に戻ってほしい」と厳しい現状を訴えた。
バスの運転手も「3月に入ってからかなり減っている。きょうも参加30人予定のツアーだが、実際に参加してバスに乗っているのは12人。5~6人しか乗っていないバスもある。バスは走っていても乗客の数はかなり少ないので深刻な状況。これからも厳しいと思う」と、先行きの見えない今後に不安を募らせた。
宮古では、新型コロナウイルスの感染者は出ていないが、圏域経済への影響は確実に出ている。
バブル景気で一気に盛り上がった圏域観光は、さらに拡大する入域観光客を見込んで各種整備が進められてきた。
新型コロナウイルスという想定外の問題が今後、どれだけの影響を島内観光に及ぼすのか、関係各方面の不安は大きくなっている。