伊良皆村長が施政方針/村議会3月定例会開会
産業振興と人材育成など柱
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会が10日開会し、伊良皆光夫村長が2020年度の施政方針を表明した。伊良皆村長はこれまで3本の柱として取り組んできた産業振興と人材育成・子育て支援、健康増進の継続を説明し「これらすべてが人口減少対策につながる。継続して地道に実行していくことが重要だ」と強調した。
村の総人口は今年2月末時点で1124人。前年同時期の1169人に比べ45人減少している。人口減少について伊良皆村長は「危機感が足りない。その裏返しであきらめ感も漂っている」と警鐘を鳴らし、定住促進住宅の整備や移住者支援情報の充実を図ることを掲げた。
農業振興については、迎原地区や高瀬第一地区などで農地基盤整備の早期完成を目指していることを説明。サトウキビ農家の高齢化に対応した機械化を推進することと共に、単収アップと品質の向上に取り組むとした。畑地かんがい用水を有効活用するため、栽培実証などを実施し、高収益作物導入を進めていく考えを示した。
畜産振興については、離島型畜産活性化事業(団地牛舎等建設工事)や担い手育成総合整備事業などを活用し、「農業後継者など担い手の規模拡大を図り、農家所得の向上に取り組む」とした。
観光産業については、人口減少時代における地域活性化の切り札と主張。「重要なのは住民が自ら地域の価値を再発見し、地域や文化を誇りに思うことだ」と述べた。
また職員らに対しては「多良間のことは多良間村で解決しようという信念を持つことで、道は必ず開ける。職員一人一人が使命感を持って役割を果たしてほしい」と挑戦する姿勢を求めた。