真栄城さん(平良出身)へ功労賞/県医科学研究財団
地域医療への貢献評価
【那覇支社】県医科学研究財団(宮城信雄理事長)の2019年度(第34回)表彰式が、このほど那覇市内のホテルで行われ、沖縄の医学・医療の発展や医学教育、公衆衛生などに貢献したとして平良西里出身で沖縄メディカルグループ会長の真栄城徳佳さん(87)=那覇市=に功労賞が贈られた。
受賞の感想を、真栄城さんは「多くの若い人たちがいる中、この歳での受賞に恐縮している」と話した。その上で、「開業当時は県内の耳鼻科医が少なかったので、患者を中心に考えて来る患者は全員診ることにしたら、年中無休となった。あのころは沖縄本島北部や周辺離島からの患者も多くいた。健康に恵まれていたからできた」と振り返った。
また、今後については「後輩たちの人材育成なども大事なので、少しでもお役に立てればと考えている」と語った。
同財団は、県内の地域医療や医学に関する研究調査活動を助成振興し、県民の健康増進を促進する目的で、1985年に設立された。真栄城さんの受賞理由として「那覇市内に耳鼻咽喉科を開業し、年中無休診療を35年間実施。1日400人以上の患者を診察して県民の健康増進に努めた。また、知念半島の無医地区に総合病院を開設し、地域住民のために診療を続けている」ことなどを挙げ、高く評価した。
真栄城さんは、教育や学術、文化の振興に寄与することを目的に1946年設立された全国日本学士会(本部京都府)から、90年にアカデミア医学大賞を受賞。2018年からは、県内で初めて同学士会の会長に就任している。