本島の10代女性「陽性」/新型コロナ
休校中、スペインを家族旅行
【那覇支社】県は21日、中部保健所管内に在住する女性(10代、高校生以下の学生)が新型コロナウイルスの検査で「陽性」と判断されたと発表した。女性は、通学する学校が感染拡大を防止する目的で臨時休校となった期間に家族や親戚6人でスペインを旅行していた。
女性らは、13日からの日程でスペインを旅行。20日午前9時半に成田空港へ帰国した際にコロナウイルスの検査を受け、結果が判明するまで同空港内に待機するよう要請された。ただ、女性らは、検査結果を待たずに羽田空港を経て沖縄に戻った。
県によると、女性は那覇空港から父親が運転する自家用車で自宅に移動し、その後は外出していない。女性に発熱やせきなどの症状はなく、旅行に同行した5人は全て「陰性」だったという。女性は今後、指定医療機関に入院する。
砂川靖保健医療部長は、会見で「保健衛生を所管する立場としては、成田空港での待機要請には応じてほしかった。待機要請は(強制力がない)お願いベースだが、該当者には協力してほしい」と述べた。
平敷昭人教育長は、「臨時休校はコロナウイルスの感染拡大を防止するため。人の集まる場所を避けて基本的には自宅で過ごすように指導していた。臨時休校の趣旨について理解が足りないことがあったのは、非常に残念」と語った。
県は、旅行に同行した5人や、羽田空港からの飛行機で女性の近くに座席があった3人など合計9人について、女性の濃厚接触者として健康状態の確認を行う方針。
16日から再開した県主催のイベントについては、現時点で見直しは行わないが、女性からの二次感染が出た場合には再度見直しを行う。
スペイン政府は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非常事態宣言を行う方針を示していた。日本政府も12日、スペイン・マドリード州などの感染症危険情報をレベル2の「不要不急の渡航中止」に引き上げていた。