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社会・全般
【行雲流水】(春分の日)
3月20日は「春分の日」。自然と生物をたたえ、いつくしむ日である。天文学では、太陽の通り道の黄道と天の赤道の交点である春分点を通過した日のことをいう
▼春分の日には昼と夜がほぼ同じになり、この日から昼の方が次第に長くなっていく。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、彼岸の中日である春分の日を境に、暖かい季節が訪れ、さまざまな植物が芽を出し、小鳥がさえずり、季節は春たけなわとなる
▼童謡は歌う。『どこかで春が』。「1、どこかで春が生まれてる/どこかで水が流れだす。2、どこかでひばりが啼いている/どこかで芽の出る音がする。3、山の三月東風吹いて/どこかで春が生まれてる」
▼俳人たちは詠う。「山路来て何やらゆかしすみれ草」(松尾芭蕉)。「菜の花や月は東に日は西に」(与謝蕪村)。「野に出でて写生する春となりにけり」(正岡子規)
▼春はまた、別れと出会いの季節でもある。職場では転勤があり、学校では、卒業生たちが学び舎を後にする。幼稚園からは卒園する園児たちの歌う『思い出のアルバム』が聞こえてくる。「―桃のお花もきれいに咲いて、もうすぐみんなは一年生」
▼春は生命をたたえる季節。『手のひらを太陽に』は歌う。「僕らはみんな生きている/生きているから歌うんだ/僕らはみんな生きている/生きているから悲しいんだ/手のひらを太陽に透かしてみれば/真っ赤に流れる僕の血潮/ミミズだって、オケラだって、アメンボだって/みんなみんな生きているんだ/友だちなんだ」(空)