市文化財に指定を/佐事川嶺凝灰岩層
文化財保護審が答申
市文化財保護審議会の梶原健次会長は26日、市役所城辺庁舎に宮國博教育長を訪ね、諮問されていた城辺下里添の「佐事川嶺凝灰岩層および佐事川の陣地壕(ごう)」について市文化財に指定するよう答申した。種別は天然記念物と史跡。梶原会長は「宮古の成り立ちに、火山活動があったことを示す資料として非常に貴重だ」と語った。
受け取った宮國教育長は「答申に沿って文化財として決定する手続きを取りたい。多くの市民に見ていただけるようにしたい」と述べた。
場所は宮古島リハビリ温泉病院近くで10年前に発見されたという。
凝灰岩層は火山灰が固まってできた層であり、1センチほどの薄い層が2層確認されている。これは宮古島が形成される歴史の中で、火山活動(海底火山)が2度あったことを示す証拠だという。
答申では「今後の宮古島の地質研究に多大な貢献をするとともに、市民が郷土の成り立ちを知る自然学習の場として寄与するところが評価できる」とした。
陣地壕は凝灰岩層そばにあり、旧日本軍が作ったものと見られる。1辺が25メートルほどになっているコの字型の横穴。
付帯意見としては保全対策の必要性が挙げられた。候補地の一部は2020年度の土地改良事業の計画区に含まれており、「計画区から除外することが急務だ」としている。
指定後は説明板などが設置される予定。