無料避妊去勢手術 犬猫387匹に実施/セーブ・ザ・アニマルズ
費用190万円、寄付で賄う/来月以降は1匹1000円に
宮古島で犬猫を飼っている人を対象に飼い犬や飼い猫の避妊、去勢手術を全額負担するプロジェクトを展開している宮古島セーブ・ザ・アニマルズ(旧宮古島アニマルレスキューチーム)はこのほど、昨年4月~今年2月までの11カ月間における実績をまとめた。それによると、実施件数は387匹で、費用は190万3000円。手術費は全国から寄せられた寄付金で賄われてきたが、今年4月からは犬猫(雄雌)とも1匹1000円で実施するとしている。
手術を実施した387匹のうち、飼い主からの依頼が236匹。内訳は、飼い犬で33匹(雄16匹、雌17匹)。猫は飼い猫と野良猫を合わせて203匹(雄81匹、雌122匹)。
それ以外は、同施設が保健所から引き受けた犬猫と、直接保護した犬猫となっている。
これまでの費用負担ゼロから1000円とすることについて、同団体では「全国でも同じような課題を抱える地域がある中で、島外からの寄付金だけに頼るのではなく、島の問題は島で解決する努力も必要との観点から今回の措置となった」としている。
代表を務める中原絵梨奈さんは「この取り組みをこれからも継続していくためと、さらに多くの犬猫に手術を受けてほしいとの思いから方法を変えることにした」と説明した。
変更点については、一部負担のほかに、手術日が限定的になり、手術を受ける場所が同施設のシェルター内となる。
手術については、このプロジェクトに賛同した島外の獣医が来島して実施することから、日程が限定的となる(月に1度程度)。
実施日等については、事前にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やその他の方法で告知するとしている。
獣医の来島に合わせて実施することから完全予約制で、猫の場合は手術済みの印となる耳のV字カットが必須となっている。
県宮古保健所管内における犬の捕獲・保護数は以前年間100~200匹台で推移してきたが、2014年度と15年度は300匹台に増加。15年度の殺処分数は325匹となり、これは東京都の1年間の処分件数を上回っていた。
こうした状況の中、中原さんたちボランティアが捕獲保護された犬猫を島内外に譲渡する運動が年々充実し、殺処分件数は大幅に減少した。
しかし、保護頭数は、現在も高い数値で推移し続けており、中原さんは「殺処分は減っても持ち込まれる数は変わらない。大切な命のために飼い主がもっと自覚を持って犬猫と向き合ってほしい」と適正飼育を呼び掛けた。
手術についての問い合わせは、宮古島セーブ・ザ・アニマルズ(電話090・9789・4097)。