待遇改善で欠員解消/市会計年度任用職員
年収平均20万円増/雇用期間は1年に延長
宮古島市が導入する会計年度任用職員制度で、市長部局における新年度一般事務職の採用者が定員に達している。同職員は従来の臨時職員(非正規労働者)らを指し、2019年度当初は約20人の欠員が生じていたが、新年度は必要人員を満たした形でスタートを切る。新制度の導入で任用職員の年収は平均で約20万円増え、雇用期間は6カ月から1年に延長される。こういった待遇の改善が欠員解消の背景にあるようだ。
新年度、市長部局の会計年度任用職員募集枠は381人。このうち342人の任用が決まり、一般事務職の欠員はゼロとなった。
慢性的な人手不足が見られる職種の保育士や専門職を含むと計39人の欠員が生じているが、19年度当初の欠員60人余と比べると一定の改善は見られる。
一般事務職の採用枠が埋まった要因は、国の「働き方改革」に伴う制度の導入と雇用環境の実態に即した待遇の改善が大きい。基本賃金は横ばいだが、正職員と同じように期末手当(ボーナス)が年に2回出ることから、年収ベースで平均20万円の増額が見込める。
ただ、制度の初年度となる20年度は、夏の期末手当支給までの期間が短いことから、年間期末手当の支給率は1・69カ月に。正職員と同じ年間2・6カ月支給は21年度以降となる。
市総務課によると、期末手当の増額分は国が交付税措置するため、一般財源が圧迫されることはない。
雇用期間の延長も職を求める市民に好意的に受け止められている。従来の6カ月間の雇用では不安定要素が強く、多くの求職者が民間に流れて19年度の欠員を招いたとみられている。
会計年度任用職員制度の導入により大幅な欠員は解消された形だ。欠員が生じている保育士らについては引き続き募集を続ける。