市総合博物館紀要24号発刊/研究論考など16編収録
市総合博物館の平良恵栄館長らは31日、同館で会見し『宮古島市総合博物館紀要第24号』を発刊したと発表した。執筆者13人の研究論考など16編を収録。水産、言語、地質、土器、昆虫、宮古島旧記などの分野にわたって紹介している。B5判、全292ページ、300部発刊。希望者には無料配布している。
執筆者のうち、宮古郷土史研究会会員の仲宗根將二さんは「宮古の現代史を駆け抜けた先人たち」と題して発表している。故人となった1899(明治32)年生~1941(昭和16)年生までの22人を詳しく紹介。各人ともそれぞれの時代に活躍し、宮古を代表する著名人、あるいは地域を代表する知識人である。
仲宗根さんは論考の中で「近・現代宮古の生んだ先学諸士の足跡を通して、その活動の領域はもとより、可能な限りその時代にもふれることで地域史=宮古を浮き彫りにしたつもりである(生年順)」と述べている。
22人は次の通り。(敬称略)
宮原昌茂▽与那覇寛長▽仲元銀太郞▽前泊徳正▽平良好児▽羽地栄▽平良新亮▽富永裕夫▽宮国泰良▽垣花秀武▽渡久山春好▽砂川明芳▽佐渡山正吉▽伊良皆春宏▽友利定雄▽松原清吉▽上原清治▽本永守靖▽宮里光雄▽内間一光▽下地肇▽砂川しげひさ
今回発刊された同紀要第24号の執筆者と主な論考は次の次の通り。(敬称略)
若林良和・川上哲也=宮古・池間島カツオ産業文化誌(2)-ぎょしょく「魚職」からみた生活世界-▽長濱幸男=宮古島の牧と沖縄北部のマキ(続)-まきょ(マキ)と牧-▽安谷屋昭=島尻層群天然ガス貯留岩(層)の堆積構造と掘屑サンプル展示の意義について▽久貝勝盛=宮古の鳥文化▽本永清=燻し鮹の料理▽久貝弥嗣=【研究ノート】野城式土器に関する一考察-土器の焼成実験を通して-▽小浜継雄・砂川博秋=宮古諸島フデ岩で確認された昆虫類▽平良勝保=琉球国後期(近世)末先島の貢布・琉球産物と大阪市場-「弘化二年出物積登送状」を中心に-▽上原孝三▽『御嶽由来記』・『雍正旧記』にみえる御嶽の伝承から-トーテムと王権-▽與那覇史香=宮古島市総合博物館制作紙芝居『平良市の三大事業』▽仲宗根將二=宮古の現代史を駆け抜けた先人たち