新たに5人「陽性」/新型コロナウイルス
知事「局面変わった」/市中感染拡大も
【那覇支社】県は4日、新型コロナウイルスの検査結果で、新たに5人が「陽性」と判断されたと発表した。このうち、感染経路が不明なのは2人。玉城デニー知事は、同日の県庁での対策本部会議で「市中感染が広がっている可能性もある」「フェーズ(局面)が変わった。感染の急速拡大に対策を迫られる局面にある」と危機感をあらわにした。
県によると、新たに「陽性」と判断された5人のうち、県外での滞在歴があるのは3人。残りの2人については県外での滞在歴はなく、感染経路を追跡できていない。5人のうち、那覇市在住の50代男性は、集中治療室で治療を受けているという。
感染の拡大に備え、県では医療提供体制の確保と検査の拡充に取り組むとしている。県内の指定医療機関に24床(宮古病院は3床)ある病床に加え、協力医療機関からも病床の提供を受け、40床程度を確保している。
今後について、糸数公保健衛生統括監は「指定医療機関で新型コロナウイルスの患者を病棟単位で診るなどの対策が決まっていないので、(現在から)何床増えるかは、今は申し上げられない」と述べた。軽症者は病院以外への収容も検討するという。
新学期が始まる県内学校については、大城玲子保健医療部長が「対策本部会議では、教育庁が『対策を検討する』という話だった」と述べた。5日にも、教育庁が方針を決定する可能性がある。
3月16日から再開していた県主催のイベントについては、原則として中止か延期とする。これに伴い、焼失した首里城の赤瓦を再利用するため行っていた「漆喰(しっくい)はがしボランティア」も当面の間、中止となった。
観光客に対して来県を自粛するよう、県として呼び掛けるかについては、大城部長が「対策本部会議でも議論になったが、(空港に)サーモグラフィーの設置を進め、来県される方に発熱などの症状があれば、行動変容を促す対応になると思う」と述べた。
県は、那覇空港について一週間以内にサーモグラフィーの設置を目指している。宮古・石垣の空港についても、設置を進める。