小児医療維持に理解を/宮古病院
受診は午後10時までに
県立宮古病院(本永英治院長)は10日、病院内で会見を開き、小児の深夜受診をできるだけ控えるよう広く市民に理解と協力を呼び掛けた。具体的には午後10時までの受診や電話相談の利用を求めている。不足する小児科医に健康問題が生じると、小児医療にとどまらず、分娩(ぶんべん)など周産期医療にも影響が出かねないとしている。
説明によると、小児科医の定数は6人だが、現状は4人で対応している。2年前まで7人体制だったが昨年5人となり、今年さらに1人減っている。医師の疲労の蓄積に伴う健康への悪影響が懸念されている。
病院は、こういった現状の中で小児医療を維持していくために会見の中で協力を求めた。小児科の急患は熱や鼻水などの一次急性疾患が多いという。熱が出ていても深夜に心配になってから病院を受診する事例がみられることも指摘。本永院長は「突然熱が出たとしても小児の場合は風邪がほとんど。前もって熱がある場合は午後10時までには来てほしい。また、夜間、深夜の場合は熱冷ましで様子を見るとか、電話相談窓口の利用を」と呼び掛けた。
その上で、発熱など軽症の場合は午後10時までに受診するか、翌日に診療を受けるよう求めた。ただ、呼吸困難やぜんそく、顔色不良、高熱、けいれん、意識障害などの重症患者の場合は何時でも対応する。夜間や深夜に無料で利用できる小児電話相談窓口「♯8000」の活用も勧めた。
会見で小児科医の武富博寿さんは「お母さんの心配も分かるので、判断がつかない場合は♯8000に電話してもらうとか、宮古病院のホームページにこういう場合は(受診に)来た方が良いとか、待っても大丈夫とか詳しく紹介されているので、こういうものを利用してほしい」と話した。