「大変」「実感ない」/緊急事態宣言拡大で
市民に不安と困惑/新型コロナ
新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、政府が16日に対象地域を全国に拡大した「緊急事態宣言」について、宮古島市民に不安と困惑の声が広がっている。「大変な世の中だ」「生活、仕事はこれからどうなるのか」との声が上がる一方で、「宮古では感染が確認されていないので実感が湧かない」と話す人も。市民の声を聞いた。
「大変な世の中になっている。よく分からないけど怖い」と話すのは、無職の女性(73)。連日、感染者が続々と出ている東京に長男家族が暮らしているという。「毎日、テレビを見ては心配している。電話で聞くと『今のところ大丈夫だ』と言っているが」と表情を曇らせた。
団体職員の男性(20)は「外出は今まで以上に自粛し、手洗い、うがい、マスク着用をこれまで以上に周知すべき」と市民全員が感染を徹底的に回避する対策を取ることが重要だとした。
自営業の40代男性は「緊急事態といわれても、宮古では感染が確認されていないので実感が湧かない」、自営業の50代男性は「正直よく分からない。これまで通り手洗い、うがい、人との接触は距離をとることを心掛けるしかない」とそれぞれ戸惑いを漏らす。
緊急事態宣言後、さらに状況が悪化するのではないかと懸念する50代の男性タクシー乗務員は「客が減って売り上げも相当減った」と危機感を募らせる。4月は13日間の出勤を5日間休むよう会社から言われたという。「来月はタクシーの稼働台数を20台減らし、10日間の休みになる」と嘆いた。
多良間島に住む男性(62)は「もっと緊張感を持ちたい。RAC(琉球エアーコミューター)も1週間ほどは運休してもらいたという気持ちだ」と語った。