県、緊急事態宣言/知事、「食い止める瀬戸際」
接触の8割削減求める/新型コロナ
【那覇支社】県は20日、県内での新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、沖縄独自の「緊急事態宣言」を発令した。玉城デニー知事は同日、県庁で「今が感染拡大を食い止める瀬戸際」と述べ、人と人との接触を8割削減するよう求めた。国内で重点的な対策が必要とされる「特定警戒都道府県」への指定を政府に要請する意向も示した。
国が緊急事態宣言を全国に拡大する中、県も独自に宣言を行ったのは、県内で市中感染が拡大しているとの懸念があがっているほか、3件の死亡例が発生するなど局面が変わりつつあることが理由。玉城知事は「重大な局面にあることを県民に伝え、感染拡大防止に取り組むため、宣言を発出する」と強調した。
また、「離島での感染拡大を防ぐため、緊急の必要がある場合を除いて、本島と離島間、離島と離島間の移動をやめてほしい」とも述べた。
さらに、県民に個人でできる感染防止策の徹底や不要不急の外出自粛を改めて呼び掛け、「県民が力を合わせ、支え合うことができれば、流行は必ず押さえ込むことができる」と訴えた。
医療体制については、重症者への医療体制の確保や、PCR検査の拡充、離島における医療提供体制の整備、逼迫(ひっぱく)した医療現場をつぶさない対策に取り組んでいくとした。県民には「医療現場で働く人を応援する気持ちを持ってほしい」と述べた。
事業者に向けては、感染拡大防止の観点から飲食店等への緊急支援金の支給を検討するほか、「中小企業セーフティネット資金」の融資枠増額や、県独自による雇用調整助成金の上乗せを行う。
このほか、中小・小規模事業者等の事業継続、雇用の維持から事業全般に活用できる給付金の支給を検討し、雇用と事業と生活を守り抜く取り組みを切れ目なく着実かつ迅速に講じていくなどとした。
一方、県は19日に5人、20日は6人について、新たに感染が確認されたと発表した。いずれも、沖縄本島中南部での確認となる。県関係の感染確認は合計122人となった。