子牛価格3カ月連続下落/4月牛競り
平均53万7000円/コロナ影響
JAおきなわ宮古家畜市場の2020年4月期肉用牛競りが19日開かれ、子牛1頭平均価格は前月比4万3392円安の53万7860円だった。3カ月連続の下落で、5年前の水準まで引き戻された格好だ。枝肉相場の落ち込みと、新型コロナウイルス感染拡大の影響が鮮明に表れている。
素牛(子牛)価格の下落は全県的な傾向だが、4月競りにおける宮古市場の下げ幅(前月比)は県内市場で最大。厳しい取引実態が浮き彫りとなった。
宮古市場の性別の1頭平均価格は去勢が前月比4万5757円安の56万8286円まで下落。雌は同比4万1641円安の48万7601円と、50万円を割り込む安値取引となった。
平均キロ単価の落ち込みも大きい。前月と比べて192円安い1960円。性別にみると、去勢は同比218円安の2012円、雌は同比146円安の1866円とそれぞれ下げた。
子牛価格を下げている要因は、インバウンド(訪日外国人)の減少で和牛の消費量が落ち込み、枝肉相場が下げ基調にあることが挙げられる。購買者ら畜産関係者の話によると、「枝肉は落ちる一方だ」という。
これに加えて新型コロナウイルスの感染拡大だ。国民の外出自粛や飲食店の営業自粛などで牛肉消費の動きが極端に鈍り、枝肉の下落に拍車を掛けている。
こういった実態を映すように、東京市場におけるA4去勢の3月平均卸値は1キロ1861円と前月比で12%、前年同月と比べると24%も下落している。
新型コロナが終息に向かわない限り、厳しい市況は続くものとみられ、畜産業界は競り値を含めた先行きに警戒を強めている。
4月の競りに上場された子牛は358頭で、全頭の取り引きが成立した。成牛を含む全体の取り引き頭数は403頭だった。