臨時休業相次ぐ/島内ホテル
コロナ予防に力注ぐ/移動自粛、繁忙期に打撃
新型コロナウイルスの感染拡大で島内のホテルは厳しい状況に直面している。例年だと大型連休(ゴールデンウイーク、GW)期間中は最も活気がある時期だが、緊急事態宣言が出され、全国に移動の自粛が求められている中で観光地の状況は一変している。島内では臨時休業に踏み切るホテルが相次いでおり、かつてない様相を呈している。各ホテルは感染予防対策に力を注いでいる。
観光関係者によると、現在稼働している島内ホテルの客室は全体の1割未満だという。郊外のリゾートホテルや市街地のホテルに差はなく、観光客はほとんど見ることができない。
郊外のリゾートホテルは島内最大規模だが複数ある宿泊施設を相次いで休館し、宿泊客を一部の施設に集約して営業しているという。通常だとレンタカーで満杯になる駐車場も閑散としている。
下地与那覇の宮古島東急ホテル&リゾーツは25日の宿泊客のチェックアウト以降、臨時休業に踏み切った。25日はホテルに人影は見られず静けさが漂っていた。5月11日から営業を再開する予定という。同ホテルは開業から30年以上がたつ島内では老舗のリゾートホテル。
市街地で複数の施設を運営するホテルピースアイランド宮古島は1カ所のみで営業を継続し、残りは閉館している。従業員によるとGW期間中の予約は2割程度だという。
別のホテルは一部の客室を除いてレストランや売店などを閉めた。従業員はシフトを組み、自宅待機をさせ、ごく一部の従業員で回しているという。ホテル関係者は「従業員の安全と雇用を守ることが一番大事。誰にも文句を言えないし、我慢して乗り切るしかない」と話した。
島内のホテルはほとんどが臨時休業に入っており、営業再開は5月7日以降としているところが多いが状況によっては延びる可能性もある。
宮古島観光協会の砂川靖夫副会長は現在の状況に厳しい認識を示した上で「観光関係者でリカバリープロジェクトを立ち上げ情報交換している。終息すれば、観光はたぶんV字回復する。その時まで、宿泊やアクティビティー、レンタカーなど宮古観光の規模を維持していかなければならない。助成金などを活用して従業員の雇用を守りながら、現状を維持していくことが大事だ」と前を見据えた。