稼働車両5割以下/宮古タクシー事業協組合
乗務員休ませ対応/コロナ影響「想定超」に悲鳴
国内、県内でも感染拡大が続く新型コロナウイルス。宮古ではまだ感染者の発生はないものの圏域経済には大きな打撃を与えている。特にタクシー業界への影響は緊急事態宣言後、想定を超えた厳しい状況になっているという。宮古タクシー事業協同組合によると、4月に入り売上げが激減。加盟14社のタクシー約200台の稼働率は現在半数以下で、各社には待機しているタクシーが並び、事態の深刻さを物語っている。
同組合の下地隆之代表理事によると、2月の運行収入は対前年同月比で約10%減から、3月は同比40%減となった。
さらに、同宣言が発令された4月は、「3密」(密閉、密集、密接)防止の徹底や多くの飲食店の閉店などから島内でも人の動きがなくなり、売上げはさらに落ち込んでいるという。
下地代表理事は「4月は本当に深刻。8~9割の落ち込みになっている。私の会社でも感染予防などを考慮して乗務員、事務員も休ませていてなんとか対応している」と話した。
組合全体の車両稼働状況については「すでに5割以下の稼働しかない。私の会社でも4分の3の車両は休ませている」と説明した。
さらに、配車の問い合わせも激減しているという。「一番多い時で1日1300件くらい、平均でも800~900件はあったが今では1日、120件程度しかない」と厳しい状況を訴える。
客の利用状況については「最近はほぼ、電話で依頼を受けてからの乗車しかなくなっている。街中で乗る客はほとんどいなくなった。4~5時間の空車は当たり前になっている」と頭を抱える。
乗務員や事務員の雇用を継続していくためにも「雇用調整助成金が頼りだ」と話す一方で「支給の在り方や先行きの不透明な中で追加融資をどこまで続けることになるのかを考えると今後が恐ろしい」と話した。
終息の兆しが見えない現状については「この事態がこのまま続くことを考えると本当に怖い。お金が入ってこないことにはいろいろな支払いもできない。多くの会社が維持できない事態も目の前に迫っていると感じている」と危機感を募らせた。