職員5人の責任認定/補助金返還賠償
総額145万円 一人当たり最高額48万円
市監査委員会(富浜浩代表監査委員)は13日、昨年1月に下地敏彦市長が監査請求を行った市発注工事事業での補助金返還に伴う加算金に対する職員の賠償責任の有無と賠償額について、監査対象者6人のうち当時の部長を除く5人の賠償責任を認め、損害額は監査請求通り145万6537円とする監査結果を発表した。一人当たりの賠償額は、職責などにより最高額は48万円、最少額は13万円と決めた。
監査の対象となった事業は、2006年度に国の補助を受けて事業を進めていた①宮原地区の集落地域整備事業現場技術業務②平良地区健康ふれあい公園管理道路整備工事③同公園遊歩道整備工事-の3件。いずれも「不適法、不適切な事務処理がなされ補助金の一部とそれに伴う加算金が国や県に返還されたもので、補助金返還に伴う加算金は、職員の不正行為によって生じた本市の損害と認められる」として下地市長が監査請求を提出。対象職員は当時の部長級1人、課長級3人、補佐級1人、技師1人の計6人だった。
監査委員会では監査請求を受け、昨年1月29日から今月7日まで、関係職員からの聞き取り調査などを行い監査を実施。その結果、「監督職員と検査職員には重大な過失があり賠償責任がある」と判断。損害賠償の対象職員は業務の監督を怠った監督職員と虚偽の検査調書を作成した検査職員で、地方自治法上、部長は監督及び検査に該当しないことから課長級以下の5人とした。
損害額は、集落地域整備事業現場技術業務が83万2590円、健康ふれあい公園管理道路整備工事が47万7573円、同公園遊歩道整備工事が14万6374円の合計145万6537円と認定。対象者一人一人の賠償額は明らかにされなかったが、職責と損害発生の原因などに応じ最高額は48万2021円、最少額は13万5767円に決定した。
市役所平良庁舎で会見を開き監査結果を公表した富浜代表監査委員は「職員のなれ合いから起こってしまった問題。全庁を挙げて行政のあり方を職員一人一人が認識し、綱紀粛正を行い、再発防止に努めてほしい」との考えを示した。
監査委員会から12日に報告を受けていた下地市長は13日、マスコミの取材に対し「監査結果を尊重し、これに基づいて手続きを取っていきたい。法令に基づいて厳正に処理をするのが行政の基本。今後も法令順守に向けしっかりと職員を指導していきたい」との思いを語った。